型もの製作

機能試作

試作や量産をする場合、型ものが必要になります。設計情報を部品に転写する機能を持ち製造過程の中心的部分になります。ここでは型ものの種類、用途、特徴等を説明します。なかでも金型という言葉はよく聞きます。日本の製造業の基幹になる部品のひとつでこの金型製作の技術が、世界的レベルで今まで評価されてきました。

量産で使用する金型は、数十万〜数百万円するもので大量生産に耐えうるものを使用します。量産の工程の最重要なポイントになります。
以下代表的な型ものを説明して行きます。

型もの製作一覧


① 金型

金型の材質は、ダイス鋼(SKD)高速度工具鋼(SKH)などの鋼材が使用されます。耐摩耗性が必要とされ、精度追求も含めて表面処理加工技術が要求されます。おもにプレス金型、射出成形(インジェクション)金型、ブロー成型金型などに使用され型ものの中心的な位置づけになってます。

② 樹脂型

樹脂型とはメタルレジン(エポキシ樹脂にアルミニウムの粉を入れた樹脂)を成形品と同じ形の型のまわりに流しこみ、型をつくるものです。
樹脂でできた型なので金属の型に比べると耐久性は劣ります。
ですがコストも安く、手軽に作れるので、試作のような小ロットの生産には向いています。

③ 真空注形型

真空注型とは、FRP(ガラス繊維などを樹脂で固めたもの)やシリコンを金型の代わりにして部品製作用の型として使用し、真空中でその型に対して樹脂を流し込み、部品を製作する技術です。
この方法では真空状態を作り出すことのできる真空槽を使い型に樹脂を流し込むため、型の隅々まで樹脂が行き渡り、気泡や欠けができにくいというメリットがあります。
型自体の耐久性はありませんが、完成した部品は非常に精度が高く、金型に比べ短期間、低コストで複製品を製作することができるので試作の現場でもよく利用されます。

④ 木型

木型は現在、鋳物などに良く使われる型どりの方法です。
まず、木材やケミカルウッドなどで作りたい形をつくります。次にその型の周りをを鋳物砂で覆います。後は中の木型を取り去り、固めた鋳物砂に金属を流し込むと、最初の木型と同じ形の製品が作れます。試作の段階でも鋳造品をつくるときに利用します。