機能試作

機能試作

「試作仕様書」の中にアイデアを実現する項目や内容が決まってますので、いよいよ実際の試作に入ります。ここでは求める製品の仕様の中から、機能に関する部分だけを取り出して、これから製品化するものが、どの様に働けばよいのかを、確認をして行きます。

試作の第1段階である機能試作では、開発担当者やクライアントが製品にこれからどんな機能を要求しているのかを、形にして確認、共有することになります。
機能試作では、確定した仕様の中で機能だけに注目し、機能を検討、確認できる試作を、出来る限り費用をかけずに製作します。当然使い勝手や、大きさ、素材等に関しては考慮する必要はありません。

機能試作は、最終製品の目的とする機能が、本当に実現できるかどうか、検証してゆきます。試作仕様書に基づいて具体的な構想を立て部品を加工、調達し、それを組立てて、テスト、確認をしてゆきます。動く物でしたらどれくらいのスピードか、照明でしたらどのくらいの明るさかと言うように、数値に換算して目標値を決めてゆきます。通常は、動く部分の機構廻りと、それを制御する電気回路廻りに分けて検討してゆきます。

「機能試作」では、形のないアイデアを、最初に形あるものに落とし込む作業を行います。ここでは、入手しやすい部品を使い、必要最低限の部品加工にとどめ、安価に製作することが重要です。
この試作は、基本的にはデザイン(形状、色、使い勝手)にはこだわらず、文字通り機能(要求される動き)が実現できるかどうかを確かめることを、目的とします。この段階では全体の設計をするというより、製作物の核となる部分を設計し確認して行きます。

機能試作一覧


① 機能廻りの検討

一般的には、部品を使って簡単な工作物や装置を作り、求める機能を満足しているか、動作チェックを行います。求める結果が出るまで部品や装置の変更を繰り返します。機構的に満足が得られるものが出来た時点で終了です。ここでの機能(アイデア)は、最終製品に引き継がれてゆくものですから大変重要です。

② 電気回路廻りの検討

機械的な動きと並行して、電気回路廻りの検討も始まります。製品が動くためには動力と制御が必要です。どの様に動かすかは決まっていますので、ここではその通り動かすような電気回路を考えます。通常は手作りで、集積回路、抵抗器、コンデンサー等の電子部品を実装、配線して、機能だけを検討できる基板を製作します。複雑なものになりますとマイコンを含んだソフト設計も絡んできますので、ハードとソフトの組み合わせ方法も、ここの時点で検討してゆきます。

③ 環境に対する検討

周辺の温度、防水、防塵、耐候性、耐薬品性等の製品がおかれた環境に対応した設計が必要になります。

④ 組立と動作確認

機構周りと電気基板が出来ましたら、両方を組み合わせて動作確認をしてゆきます。動力が不足したり、制御がうまくいかなかったり、思うように動かないといったいろいろの問題が、生じてきます。ここでは基本的な問題点を全て洗い出して、解決してゆきます。